(⇒インタビュー第1回目はこちら)
Q:ロンドンといえば、プログラムの一部である《へリックス》についてもお尋ねしたかったのですが、《へリックス》はL.A.にいらっしゃった頃に作曲されたのですか。
サロネン:そうです。フィンランドで作曲しましたが、《へリックス》は、私がまだロサンゼルス・フィルハーモニックにいたときの作品です。
Q:この作品のインスピレーションについて、お聞かせください。
サロネン:この作品は、ワールド・オーケストラ・フォー・ピース(World Orchestra for Peace)に委嘱された作品です。実は、私の同僚であり、友人でもあるワレリー・ゲルギエフが、同オーケストラのために作曲することを提案してくれたのです。
Q:そして、ゲルギエフ氏が初演したのですよね。
サロネン:そうです、彼がロンドンのプロムスでオーケストラと初演しました。コンサートのテーマは、第二次世界大戦終戦60周年記念でした。しかし私は、短いオーケストラ作品に対して、テーマがあまりにも巨大なので、そのテーマについての曲を作曲しようと思わないことにしました。ワレリーには、コンサート・ピースを書くと伝えたのです。
Q:なるほど。この曲を完成されるまでに、どれくらいの時間を費やされたのですか。
サロネン:断続的に作曲しましたから、はっきり覚えていないのですが、全部あわせると2〜3ヶ月くらいになると思います。2年間くらいかけて、断続的に作曲しました。
Q:今では、もっと作曲に費やすためのお時間があるのでしょうか?
サロネン:まだ、2年前、3年前に受けた仕事があるのです(笑)。指揮の活動は、1年の半分くらいに絞るのが、私の目標です。
Q:お忙しいですね。
サロネン:ええ、今はとても忙しいですね。来年は、少し指揮の活動が減る予定です。
Q:さて、日本では《へリックス》と、チャイコフスキー作曲「ヴァイオリン協奏曲」、シベリウス作曲「交響曲第二番」からなるコンサートを指揮されますが、このプログラミングの意図をお聞かせいただけますか?
サロネン:どれも、北東ヨーロッパの音楽ということが言えますね。チャイコフスキーはロシアの作曲家で、私とシベリウスはヘルシンキ、近所ですよね。そのようなわけで、プログラムにはある種の地域性がありますが、それ以外には特にテーマはない・・・ですね。
Q:ヒラリー・ハーンさんと共演されたことは、おありですか。
サロネン:コンサートで何度か共演していますし、シベリウスとシェーンベルクの「ヴァイオリン協奏曲」を録音しています。
Q:彼女のことをどう思われますか。
サロネン:彼女は素晴らしい演奏家です。真の意味で、我々の時代の最も優れたアーティストの一人です。そして、妥協を知らない、完全なる“完璧主義者”ですね。私は彼女の完璧主義を心から尊敬しています。
Q:それでは、再びフィルハーモニアのお話を伺いたいと思います。現在はフィルハーモニア管がホームベースということになるかと思うのですが、フィルハーモニア管とのご経験をお聞かせください。
サロネン:素晴らしいです!彼らは実に、素晴らしいオーケストラで 、素晴らしい伝統があると同時に、非常にオープンなオーケストラだと感じています。とても美しいサウンドを奏でてくれるのです。
Q:さきほどおっしゃったオープンである、ということは、どういうことですか?
サロネン:スタイルとレパートリーについてです。とても柔軟性があり、プロフェッショナルなグループです。彼らとは、長く仕事をしていますので、首席指揮者に就任したことは、もちろん嬉しいことではありましたが、もうかれこれ20年以上も一緒に“音楽する”関係を築いてきていますので、劇的な変化ではありませんでした。お互いのことを十分に理解し、これから発展もしていけるという関係だと感じています。
インタビュアー:小林伸太郎(音楽ジャーナリスト/在ニューヨーク)
次回も、マエストロの日本ツアーへの思い、そして今後の計画などについて伺います。
≪来日公演情報!≫
5月31日(月) 19時開演 サントリーホール
6月2日(水) 19時開演 サントリーホール

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2010年5月14日(金) 19時開演 東京オペラシティ コンサートホール



