27日ザルツブルクで行われているモーツァルト週間にアンスネスがソリストとして登場しました。指揮はアーノンクール、オーケストラはウィーン・フィルです。
現地で公演を聞いた青澤隆明さんがレポートをくださいました!
Happy birthday to Mozart!
取材・文 青澤隆明
先ほどザルツブルクの祝祭大劇場からホテルに戻ったところだ。ザルツブルクのモーツァルト週間も半ば、作曲家の254歳の誕生日にあたる1月27日の夜には、ニコラウス・アーノンクール指揮するウィーン・フィルが演奏会を行い、レイフ・オヴェ・アンスネスがソリストとして登場した。
アンスネスとアーノンクール、そしてウィーン・フィルとの共演は、今回が2度目。2006年にもモーツァルトとハイドンの協奏曲を演奏しているが、この日はイ長調協奏曲K.488(第23番)に取り組んだ。シューベルトの2つのシンフォニー、第5番と第7番の間に披露されたモーツァルトは、満場の聴衆に温かな共感を生んだことだろう、アンスネスはアーノンクールとともに3度のカーテンコールに応じた。
アンスネスの弾くモーツァルトは、明朗快活な場面でも決してはしゃぎすぎることがなく、終始一貫して内心の音楽をまっすぐに歌いかけた。アダージョでの物静かで深い情感も、そこから明朗に弾ける終楽章も、すべての音が謙虚で誠実なたたずまいのうちに、モーツァルトへの温かな共感を率直に映し出していた。
アーノンクールの知的で鋭敏なアプローチは、この日の演奏ではときに十全にはオーケストラを統制していない側面もあったが、アンスネスは彼自身の信じるモーツァルトの精神を堂々と、しかし朴訥に語り続けた。そこには清らかに真率で、どこまでも自然な音楽の感動があった。
木管楽器をはじめとしてオーケストラとの室内楽的対話を希求するアンスネスのアプローチは、3月にようやく初来日するメルウェー室内管弦楽団との同曲を含む共演では、さらに親密さをもって音楽会を充たすことだろう。ザルツブルクの雪の夜道を歩きながら、日本の春を待ち遠しく思った。
≪公演情報≫
『アンスネス&ノルウェー室内管弦楽団』
2010年3月21日(日) 14時開演 東京オペラシティ コンサートホール
曲目:
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」
グリーグ:ホルベルグ組曲 (ホルベアの時代より)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
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