2011年06月17日

ベルリン・フィル八重奏団、ヤッコ・ルオーマ(ファゴット)のインタビュー

ベルリン・フィル八重奏団のファゴット奏者、ヤッコ・ルオーマのインタビューです。
Luoma.jpg
―1973年にフィンランドのロハヤで生まれ、とのことですが、今回のアンサンブルの中で、最も“若い”メンバーになりますね。日本には何度いらしていますか?また、初来日や、どのような団体で来日されたかお聞かせください。
今回が4度目になります。一回目が1997年のパリ管木管アンサンブル、次がタピオラ・シンフォニエッタ室内オーケストラ、3回目が、ベルリン放送交響楽団での来日です。

―11歳からファゴットを学び始めた、と聞きましたが、その前に音楽との出会いはありましたか?
また、ファゴットとの出会いはどのような出会いでしたか?
確か、7歳か8歳からピアノを始め、レッスンを受けていました。音楽学校(Music School)ではピアノを習う学生が本当に沢山いたのですが、そこで、フルートを習う友人に出会いました。彼が僕に「ファゴットをやってみたら?」と薦めてくれたので、演奏し始め、しばらくはピアノとファゴットを演奏していたのですが、1つ楽器を選択するとなった時、何の迷いもなくファゴットを選んだのです。

―フィンランドには優秀な管楽器奏者がたくさんいますが、あなた方が管楽器にであう機会として、フィンランドはそのような環境(優秀な演奏家を輩出するための優れた、そして熱心な教育システム)があるのでしょうか?
フィンランドでは、公的な音楽学校があります。通常の教育の他に、放課後に音楽教育を行う場所としてあるのです。1週間に一回、楽器の時間を取っている人もいれば、「音楽理論」「オーケストラ」「室内楽」「ソロ楽器」というように毎日音楽学校に通っている人もいます。また、フィンランドにはどんな小さな町にもオーケストラがあり、木管アンサンブルも多く、演奏会を聴く機会も多いのです。そういう意味で、フィンランドは人口の割には優秀な音楽家が多いともいえますね。

―この楽器でプロフェッショナルの音楽家になろう、と決心されたのはいつですか?
15歳の時、音楽学校の先生の薦めもあり、音楽家への道を決意しました。


―ヘルシンキのシベリウス・アカデミーとパリのコンセルヴァトワールで学ばれた、ということですが、元々ヘルシンキではファゴット[Fagotto](=バスーン[Bassoon])を学ばれたかと思いますが、パリでは、ファゴットを学ばれたのでしょうか?またはフレンチ・バスーン(バソン)を学ばれたのでしょうか?
(訳注:ルオーマはパリ音楽院卒業後、パリ管弦楽団で首席ファゴット奏者となり、その後、ベルリン放送交響楽団の首席ファゴット奏者を務めています。)
仰るとおり、伝統的にはフランスでは「French Basson(バソン)」が演奏されていましたが、数十年前からはフランスでも「German Bassoon(ドイツ式ファゴット)」が演奏されるようになり、パリ音楽院でも2つのクラス(フランス式とドイツ式)が設立されていました。私は、ドイツ式ファゴットを学んだのですが、フランス式のクラスの教授がとても素晴らしい先生でもあり、レッスンを受けたことがあります。また、パリ管では1980年代にフランス式バスーン(バソン)からドイツ式ファゴットに楽器を変えたということもあり、私はパリ管ではドイツ式ファゴットでソロ・ファゴット奏者を務めておりました。

―では、ファゴットとバソン両方演奏できるんですか?
一応、演奏はできますが、フランス式のファゴットはプロのレベルではありません。趣味で練習を続けたいとは思います。


―あなたが最も好きな作品はなんですか?
シューベルトの八重奏曲です。

―それはどういう点が好きですか?
ただただ、素晴らしいです。 一時間もある作品で、6楽章から成る作品なのですが、6つの楽章の連鎖というわけではなく、最初から最後までが「一つの旅」という感じでしょうか?うまく言えませんが、シューベルトは断片を1つの大作として捉えているという印象を受けます。

―あなたにとって、最も魅力的なファゴットの独奏部分のある、オーケストラ作品を教えていただけますか?
ショスタコーヴィチの交響曲第9番に5分くらいの大きなソロ・パートがあるのですが、とてもメランコリーで痛々しい感じのところが最後には「幸福感」に向かう感じのところがあるのです。 あとは、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の第二楽章とフィナーレにファゴットのソロがあるのですが、そこが一番好きなところです。

≪今回の来日プログラムについて≫
―シューベルトの八重奏曲/ベートーヴェンの七重奏曲/ベートーヴェンのピアノと管楽器のための五重奏曲において、あなたが特に日本の聴衆に聴いてもらいたいところがあるとすれば、それはどこですか?
難しい質問ですね…。全て素晴らしい作品です。シューベルトの八重奏曲ベートーヴェンの七重奏曲はシューベルトの八重奏曲のモデルになったものですし。ベートーヴェンのピアノと管楽器のための五重奏曲、モーツァルトの五重奏曲も大好きです。
今回のツアーで演奏する曲は全て良いプログラムですね。 したがって、、、簡単に質問にお答えするとすれば、「全曲お薦めです」と答えるべきですね(笑)

→“古楽器演奏にも取り組まれ、特に木管五重奏団アンサンブル・シュラートのメンバーとして活躍している。”
―古楽器と木管五重奏が同一の文章の中にあるので、確認したいのですが、この木管五重奏はいわゆる古典派~ロマン派の移行期に、アントワーヌ・ライヒャや、フランツ・ダンツィ等によって確立された、今日の木管五重奏の一般的なアンサンブル形態(Fl.Ob.Cl.Hr.Fg.)を指すのでしょうか?または古楽器による、別の編成の五重奏でしょうか?
バロック・バズーンは3年前位から演奏を始めました。もちろん、メインは現代ファゴットなのですが。アンサンブル・シュラットでは古楽器を使っています。アントワーヌ・ライヒャやフランツ・ダンツィの作品を中心に演奏しています。 アンサンブルも木管フルート、オーボエ・クラシカル、クラリネット、ナチュラルホルン、バロック・ファゴットを使っており、作曲家が意図していた音に近い音色で演奏をしています。五重奏を古楽器ではなく、現代楽器で演奏すると、バランスが不自然になってしまいます。現代楽器の五重奏の場合は、音が硬く、大きくなりがちなので、古楽器での演奏をするようになりました。

―ありがとうございました。 最後に日本の聴衆にメッセージをいただけますか。
今回のツアーに参加できてとても光栄に思います。世界のトップクラスの演奏家達とのアンサンブルに参加できることも大きな喜びです。そして、いつも音楽に対して真摯で、いつも情熱を持って受け入れてくれる日本の観衆の前で演奏できることをとても嬉しく思います。そして、私が今一番力を注いでいる室内楽で、日本に行ける!これは本当に嬉しいことです。皆さんにお会いできるのを楽しみにしております。

〜おまけ情報〜
ヤッコ・ルオーマは小さい時に柔道を習い、日本の『精神道に』非常に憧れ関心を持っていました。
残念ながら楽器を始めるにあたり、怪我の恐れもあって柔道は止めてしまいましたが、近年何かやはり武道を始めたくなり、合気道を始めたそうです。
日本の鮨が大好物という、大の“日本通”です!

 


2011年6月27日(月) 19時開演 東京オペラシティコンサートホール

<曲目>
モーツァルト:ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407 (ホルン:シュテファン・イェジェルスキ)

モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581(クラリネット:ヴェンツェル・フックス)

ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調 Op.20 

詳しい公演情報などこちらから

posted by Japan Arts at 16:00| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。