2012年06月12日

プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団 台湾公演レポート

日本公演を直前にプレトニョフ率いるロシア・ナショナル管弦楽団は6月9日・10日に台湾の彰化市 (Changhua市)のスタジアムで2回公演を行いました。
両日とも5,000〜6,000人の大観衆が熱狂のスタンディング・オベーションで終わるという大成功を収め、プレトニョフの人気の高さを改めて感じる公演となりました!
P1040057.jpg
 
この2公演に先駆け、6月8日に台北市内で行われたマエストロ・プレトニョフとソリストのナタリア・グットマンによる記者会見が行われました。
記者会見でマエストロ・プレトニョフはこの様に述べました。「この機会に皆さんにお伝えしたいことがあります。2000年を超える長い人類の歴史の中で、私達人間が行ったことの多くは残念ながらネガティヴなことでした。戦争、騙し合い、利益を求めての闘争。その様な中で人類が創り出した素晴らしいものとして誇れるのは”文化”です。人類の行いとして神の前で誇れるのは文化以外に無いのではないかと思います。特にクラシック音楽は豊かな芸術で、300年前の作曲家と近現代の作曲家、例えばバッハとショスタコーヴィチを一緒にプログラムに入れることが出来るというのは素晴らしいことです。
こういった文化の尊さを伝えてくださることの出来るのは、今目の前にいらっしゃるジャーナリストの方達であり、私はその事において皆様に感謝したいと思います。」
このマエストロの言葉により、盛大な拍手の中で終わりました。

P1040019.jpg
記者会見の壇の後ろには今回の公演の大きなポスターが貼られていました。

P1030986.jpg
彰化市長からマエストロとソリストのグットマンに獅子のお面が贈られました。

贈られた獅子のお面を持って喜ぶマエストロ
(左から グットマン、彰化市長、マエストロ)

P1040107.jpg
いよいよスタジアムでのリハーサルが始まります。

P1040029.jpg
ステージの両脇には、スタジアム内に舞台の模様を映し出す大スクリーンが設置されていました。
遠く離れた客席でも演奏するメンバーの表情まで細かく見ることが出来、臨場感が生まれます。

P1040115.jpg
プレトニョフはメンバーを押さえつけることなく、各自の持っている能力を最大限引き出すというもの。
信頼を得てメンバーは伸び伸びと音楽を表現し、生き生きとした幸せな音楽が生まれることになります。



プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団 2012年日本公演

2012年6月15日(金) 19時開演 東京オペラシティ コンサートホール

 ヴァイオリン:樫本大進
2012年6月23日(土) 14時開演 横浜みなとみらいホール
 ピアノ:河村尚子
russian_flyer.jpg
公演の詳細はこちらから
posted by Japan Arts at 12:46| レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月31日

メストレ 大阪でも観客を魅了!


5月30日、ハープのメストレは大阪のいずみホールでコンサートを行い、思わずため息が出るほどの素晴らしい演奏を披露しました。
昨夜の演奏はまさに波に乗っている印象を受けるほどで、まるでホールの響きと気持ちよく遊んでいるような印象でした。
ハープという楽器でここまでできるのか?というほどのテクニックと音楽性で観客をすっかりと魅了しました。
ブラボーの声も多く、サイン会にも100人近くのお客様が並ばれました。

たくさんの音楽的アイデアにあふれ、たくさんの工夫が凝らされたメストレの演奏。
それはエールハルト率いるラルテ・デル・モンドとともにさらに発揮されます。
ヴィヴァルディの「四季」から“冬”やリュートやオーボエのために作曲された作品が、まるで初めからハープのために書かれたような作品に感じられることでしょう。

聴衆と一体化して一緒に呼吸をするように演奏したいとメストレは語っています。
ぜひ素敵なひとときを共有いたしましょう。

曲目解説はこちらからご覧頂けます。
事前にお読みになると、さらにコンサートをお楽しみ頂けます。
http://www.japanarts.co.jp/html/2012/harp/maistre/index.htm

6月1日(金)19時開演 東京オペラシティコンサートホール
管弦楽:ラルテ・デル・モンド 指揮:ヴェルナー・エールハルト

ヴィヴァルディ:歌劇《オリュンピアス》より序曲 RV.725 ★      
ヴィヴァルディ:ハープ協奏曲ト長調 RV.299 (原曲 ヴァイオリン協奏曲集 Op.7より 第2集-8) ★     
アルヴァース:マンドリン    
マルチェッロ:ハープ協奏曲 ニ短調 (原曲 オーボエ協奏曲) ★                           
- - - - - - - - - - - - -
ドゥランテ:弦楽のための8つの協奏的四重奏曲 ヘ短調                
ヴィヴァルディ:ハープ協奏曲 二長調 R.V.93 (原曲 リュート協奏曲) ★                
ヴィヴァルディ:「四季」より“冬” ヘ短調 ★                       

★ハープ独奏 グザヴィエ・ドゥ・メストレ
posted by Japan Arts at 12:46| メディア情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

“様々な音色を奏でるメストレのハープ”王子公演レポート

5月28日グザヴィエ・ドゥ・メストレ(ハープ) 王子ホール

Maistre.jpg
<曲目>
ヘンデル:ハープ協奏曲 変ロ長調 Op.4-6
ペシェッティ:ソナタ ハ短調
メンデルスゾーン:舟歌 ト短調 Op.30-6(1835)
パリシュ=アルヴァース:大幻想曲 「マンドリン」 Op.84
ルチェッロ:オーボエ協奏曲(ハープ版) ニ短調
ヴィヴァルディ:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 KV299
ゴドフロワ:ヴェニスの謝肉祭 Op.184

ステージの上。
ハープの横に立つすらっと背が高い貴公子、メストレ。
彼がハープを弾き始めると「女性の楽器」のイメージが強いハープがガラリとそのイメージを変えます。
“ギターのような音色” “ピアノのような響き” そして “ハープ独特の優雅に流れる調べ” 様々な音色で、心地よい「ヴェネツィア」の世界へ誘ってくれました。
特に、パリシュ=アルヴァースの大幻想曲「マンドリン」やゴドフロワの「ヴェニスの謝肉祭」は彼の超絶技巧を完璧に堪能でき “優しいハープ”のイメージをいい意味で完全に裏切ってくれます。
美しいハープの響きに一気に引き込まれ、情緒豊かな旋律に酔いしれること間違いなしです。


 
【これで予習!】
メストレ、2012年来日記念盤『ヴェネツィアの夜』が発売中!
MaistreCD.jpg
「ハープの貴公子」メストレの新録音は、オーストリアのピリオド楽器によるオーケストラ、ラルテ・デル・モンドと共演のアルバムです。ヴィヴァルディとマルチェッロのバロックの巨匠たちのヴァイオリンやリュートやオーボエのための名曲をハープ用にアレンジして、聴き手を17世紀のヴェネツィアに誘います。マルチェッロのオーボエ協奏曲のアダージョ「ベニスの愛」や「アルビノーニのアダージョ」など、有名曲を多数収録。
¥1,467(税込)
Sony Music Shop


日本来日公演!
≪メストレ&ラルテ・デル・モンド≫

2012年6月1日(金) 19時開演 東京オペラシティ コンサートホール
<曲目>
ヴィヴァルディ:歌劇《オリュンピアス》より序曲 RV.725 ★       
ヴィヴァルディ:ハープ協奏曲ト長調 RV.299 (原曲 ヴァイオリン協奏曲集 Op.7より 第2集-8)★アルヴァース:マンドリン                   
マルチェッロ:ハープ協奏曲 ニ短調 (原曲 オーボエ協奏曲) ★               
ドゥランテ:弦楽のための8つの協奏的四重奏曲 ヘ短調                
ヴィヴァルディ:ハープ協奏曲 二長調 R.V.93 (原曲 リュート協奏曲) ★         
ヴィヴァルディ:「四季」より“冬” ヘ短調 ★                       
★ハープ独奏 グザヴィエ・ドゥ・メストレ
公演の情報はこちらから
posted by Japan Arts at 10:55| レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月28日

【レポート】ユーリ・バシュメットによるマスタークラス

5月2日東京音楽大学にて3名の学生を対象にマスタークラスが行われました。
受講生はそれぞれ
 ヒンデミット:白鳥を焼く男より第1楽章
 ヒンデミット:ヴィオラ・ソナタ
 レーガー:ヴィオラのための無伴奏組曲より第2楽章
を演奏しました。
クラスには約150名もの方々が足を運んでくださり、熱心に見学していました。


 リラックスして、楽器を美しく響かせること、作品のもつ表現を最大限にひきだす説明をする一方で、演奏者は演奏の基本的な事項、テンポ、ダイナミックス、リズム、音程に対する緻密な分析が必要であることを力説していました。
 黒い丸首長袖シャツに黒のデニム・パンツ。眼鏡をややルースに傾けたユーリー・バシュメット氏は、じっと演奏に耳を傾けながら、譜面台の前で緊張気味に音を奏でる演奏者の動きを目で追い、デスク手元のスコアをペンでマークします。
 「ソロの演奏はね“時間”“あなた”“音色“… 全ては貴方が支配するもの。他の誰もいないのです。しっかりと自信を持ってやってみてください。」と、微笑みながらもじっと目を光らせ説明します。3回、4回、最初の部分を演奏してもらい、コメントを繰り返し、丁寧に受講生の方と向き合います。
「まず、出だしは4四拍子」デスクから立ち上がったバシュメット氏は、ステージの上で1・2・3・4・と一歩ずつ歩いてみせて「これが四拍子です」と語りかけます。次に、少し前かがみになり「1・2・3・…4つ…」と半回転してみせます。「今のはこんな風に聴こえましたね?」時には受講生の気持ちを和らげるかのごとくおどけて見せながらも、テンポ、リズムに対しては厳格なまでに何度も力説してました。その上で、聴き手に説得力をもった演奏を行うために何を注意すべきか、全体の構成をどう考えるべきかという話を色々な例えを通じて説明していました。それぞれの受講生の方々の良いところ伝えながら、優しい眼差しで、その人に合った正しい方向へと丁寧に導くバシュメット氏。

 マスタークラスを通じて、あのバシュメット氏の天衣無縫、自由で広がりのある魅力的な演奏の裏に、演奏家としての音楽に対する厳しい姿勢や深い愛情、溢れんばかりのアイデア、驚くばかりの研究、途方もなく時間をかけた試行錯誤がつまっていることを改めて痛感しました。

 今夜のバシュメット氏とモスクワ・ソロイスツの演奏会での彼の演奏がたいへん楽しみです。


ユーリ・バシュメット&モスクワソロイスツ合奏団
ソプラノ:森麻季

2012年5月28日(月)19:00東京オペラシティ コンサートホール

<曲目>
 テレマン:ヴィオラ協奏曲 ト長調 <ヴィオラ:ユーリ・バシュメット>
 バッハ:<ソリスト:森麻季>
  “全地よ神に向かって歓呼せよ”〜カンタータ第51番より
  “あなたがそばにいたら”〜「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帖」より
  “至高者よ、あなたの恵みを”〜カンタータ第51番より
 パガニーニ:ヴィオラ協奏曲 〔ヴィオラ:ユーリ・バシュメット〕
 チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
 チャイコフスキー:弦楽セレナーデ

詳しい公演情報はこちらから

posted by Japan Arts at 11:14| レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月23日

ブルックナーをめぐるパーヴォ・ヤルヴィとの対話

取材・文/舩木篤也
pj_high_res18.jpg
 ブルックナーの交響曲は、特別な人のための特別な音楽なのだろうか。自然。宇宙。神。形而上学。その巨大さにひれ伏し、少なからぬ人がそんなことばを口にする。秘儀としてのブルックナー体験? パーヴォ・ヤルヴィはこう言う。
 「儀式的なものは、それが論理的であるならば重要でしょう。あなたが観光客として教会堂に足を踏み入れ、突然、礼拝にまぎれ込んだとしましょう。人々が立ち上がり、歌い、また座る。僧侶が何かを言っている。もしあなたが同じ信仰を持たなければ、わくわくするものを感じはしても、『なぜ』というところが分からない。いっぽう、ラテン語を解し、その宗教で育った人たちにとっては、セレモニーはあくまで論理的です。参加している各成員が、ただ見ているだけの部外者とは違い事柄を理解し、そういう仲間の一員だと感じています」
 ムードにただ身をひたすのではなく、キリスト教文化と、それが生んだ音楽史の筋道を知ったうえで、パーヴォは私たちをブルックナー・ワールドに導いてくれるのだろう。フルトヴェングラー、カラヤン、ヴァント、アーノンクールといった先達のブルックナー解釈者たちの間に、「脱神秘化の行き方」を見い出し、「それは過ぎてもいけないが」としながらも、「私も重要だと考えています」と彼は言った。このあたりに、パーヴォの方向性が見えてこないだろうか。
 そう、彼はブルックナーを、交響楽のきわめて伝統的なライン上にとらえる。ブルックナーは基本的にハイドンと同じだとさえ言う。「唯一違うのはワーグナー・テューバを使う点でしょう」とは、いかにも彼一流の論争的発言だが、「4楽章制をとり、ソナタ形式を含み、オーケストレーションはきわめてオーソドックス。同じ思考、同じ構造を持っている」と言われれば、たしかにそうだ。
 「私がブルックナー演奏でやろうと努めたことは、ベートーヴェンやシューマン、そしてブラームスに対して行ったのと同じこと、つまり、伝統を無視しないということです。私は指揮者の家に育ちましたから、伝統が何であるか知っています。けれども、伝統と、伝統のもとに有機的に成長した音楽との間にある論理は、こちらから見出すべきものです。植物と同じで、音楽は成長してゆく。近道はない。適切なペースというものがある。クライマックスにも必然性というものがある」
 いっぽうでパーヴォは、ブルックナーが「人間」であることを示したいと言う。「音楽が述べているのは、人間が神と結ぶ関係であって、神そのものではありませんから」。そして、今回の来日公演でとりあげる第8交響曲こそ、パーヴォの理解では、最も人間的な交響曲ということになる。
 「第8は、ブルックナーの他のどの交響曲とも違います。第7でようやく認められ、世の中に好かれたいと思ったのですね。神に恃むのではなくて。皇帝に作品を献呈したのもそのためです。権威ということを考えた。政治についても、それまで関心などなかったのに、神と自然との内なる関係をいうのが普通だったのに、突然、ドイツのミシェル(19世紀国粋主義の象徴)がうんぬんなどと言い始めた。ちょっと奇妙なくらいドイツ的文化の優位をアピールするようになるのです。第4楽章について、ここでロシアとオーストリアの皇帝がまみえるなどと書き残しており、力強いコサック騎馬隊のリズムがあそこで聞こえます。
 また女性や愛についても、以前は扱ったことがありませんでしたが、ハープを初めて使っているでしょう。ワーグナーが劇音楽で愛を描くのに用いた楽器ですね。ほんらい純真なブルックナーが、自信を得て、自分の枠を越え出ようとしているのです」
そういえばギュンター・ヴァントも生前、第8を指して、ブルックナーが唯一世俗の成功をねらった作品であり、それが音楽に出ていると言っていた。
 「『らしくない』からなのですね。しかし、ブルックナーのやり方はとても人間的で、感動的なものです」
 なお、パーヴォ・ヤルヴィは、第8交響曲をノヴァーク校訂1890年稿(第2稿)で演奏する。

2012年3月30日 ベルリンにて



パーヴォ・ヤルヴィ指揮
フランクフルト放送交響楽団
Frankfurt_flyer.jpg
2012年6月6日(水) 19時開演 サントリーホール
曲目:
リスト:ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調
 (ピアノ:アリス=紗良・オット)
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調


2012年6月7日(木)19時開演 サントリーホール 
曲目:
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
 (ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン)
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調

詳しい公演情報はこちらから

posted by Japan Arts at 17:36| 聴きに行こう!オーケストラPR | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。